地域おこし遊牧民
小郡市地域おこし協力隊 山田 香代子さん
「きっかけはモンゴルのマンホールチルドレンでした。」
そう語るのは小郡市地域おこし協力隊の山田香代子さん。仕事に就けず、マンホールの温水管にて暖をとる子供たち。モンゴル留学での出会いの中、開発学に強く関心を抱くようになる。
青年海外協力隊となり彼女は再びモンゴルへ。
失業率8割のバヤンアグト村、そこにいたのは課題に対し、自ら行動を起こせない村民。常態化する支援が本来 勤勉である彼らの自立心を奪ってしまったのだ。
だが、やはり地域課題は住民の鏡、奔走する彼女と、他人任せな態度をとってしまう村民。その態度、そして、その態度の背景に涙することもあった。しかし、その熱意は徐々に伝染。結果、村民自らによる一次産品の二次加工が所得向上につながった。
この経験から学んだのは「巻き込んでやる、巻き込まれてやる」というスタンス。地域の目標は自ら見つけ出し、自ら愛され続けるものを生み出さないといけない。
このスタンスの下、帰国後も各地にて地域を巻き込み、巻き込まれる中で「やりたい」を引き出す活動を続けてきた。
そんな彼女は現在、小郡市初の地域おこし協力隊の一人として活動中。主に小郡の農家さんの中で、その「やりたい」を引き出し中だ。
そもそも彼女がモンゴルを訪れたのは遊牧民に憧れを抱いていたからだという。果てなく広がる草原にただ一人、笑顔でたたずむ遊牧民。学生の頃、憧れていた構図だ。
仕事を終えて次の地域へ、図らずして彼女は遊牧民のような生活を送ってきた。異なる点といえば一つ。彼女の周りには常に人が絶えないことだろうか。
大石